日本のURAに関する書誌(2015年ちょっと更新)

あけましておめでとうございます。
1年ぶりです。

そして今年も、URAに関する文献リストを更新しました。

www.mendeley.com

昨年は、リサーチ・アドミニストレーター協議会第1回年次大会が9月に信州大学で開催され、参加大学からの活発な発表がありました。こちらの発表資料がまだ収録できていないのでかなり不十分なものではありますが、CiNii Articlesから13件を追加し、きりのよいところでいったんご報告。

その中の1本は、共著による本学の活動報告です。

天野絵里子, 岡野恵子, 稲石奈津子, 今井敬吾
京都大学URAネットワークにおける研究資金獲得支援 情報の収集・提供・分析
情報管理 Vol. 58 (2015) No. 2 p. 83-91

日本のURAに関する書誌(2014年までの暫定版)

あけましておめでとうございます。

URAって何やってんの?とよく質問されるし、自分も説明しなければならない機会が増えてきました。
そこで、参考にするために、2014年までの日本のURAに関する資料をまとめてみました。
政府系の重要文書をまだ抜かしている気がするのですが、取り急ぎ冬休み中に公開してしまいたかったので、暫定ということで。
2011年までの資料が少なすぎるけどそんなわけないよな・・・
下記のMendeleyグループでも随時更新しています。
http://www.mendeley.com/groups/6370841/research-administration-in-japan/
収録基準はやんわりと、以下のとおりです。

  • URAが書いた研究支援関連記事
  • 「リサーチ・アドミニストレーター」「URA」などタイトルや抄録にキーワードが含まれる記事
  • URAと研究支援に関係する発表に使われたポスター、スライドでウェブにあるもの
  • URAシンポジウム、RA研究会の資料は含める
  • 特定の製品の紹介にあたるものは原則含めない

それでは、今年もよろしくお願いいたします。

1. RU9. 大学の研究力と学術の未来を憂う(共同声明) : 国力基盤衰退の轍を踏まないために. (2009). at http://www.ru11.jp/wp/wp-content/uploads/2011/09/proposal_20091124.pdf
2. RU9. 国家の成長戦略として大学の研究・人材育成基盤の抜本的強化を : 新成長戦略、科学技術基本計画の策定等に向けた緊急政策提言. (2010). at http://www.ru11.jp/wp/wp-content/uploads/2011/09/proposal_20100319.pdf
3. 鳥谷真佐子 & 稲垣美幸. リサーチ・アドミニストレーターの現状と課題. 大学行政管理学会誌 33–40 (2011). at http://hdl.handle.net/2297/35471
4. 東京大学. 「リサーチ・アドミニストレーターの職務内容・スキル標準等に関する調査研究」報告書(平成22年度文部科学省イノベーションシステム整備事業大学等産学官連携自立化促進プログラム(機能強化支援型)). 218 (2011). at http://www.u-tokyo.ac.jp/res01/pdf/h22ura_researchsutudyreport.pdf
5. Marumasamaru2010. リサーチ・アドミニストレーターシンポジウムを拝聴し、日米の職務の違いを考えました. ヒトリシズカのつぶやき特論 (2012). at http://blog.goo.ne.jp/marumasamaru2010/e/f8f0de04e9d52555a774401c78cef118
6. 柿田佳子. 日本におけるURAの定着に向けた、企業の役割に関する考察. in 研究・技術計画学会第27回年次学術大会講演要旨集 66–69 (研究・技術計画学会, 2012). at http://www.elsevier.com/jp/online-tools/eri/jssprm2012_1e04_elsevier.pdf
7. 川畑一成. 戦略的な研究支援の重要性 : 個人技から組織的な支援へ (小特集 外部資金獲得に向けた体制づくり). 大学時報 61, 68–75 (2012).
8. 東京大学リサーチ・アドミニストレーター推進室. リサーチ・アドミニストレーター スキル標準の作成等. 東京大学 (2012). at http://www.u-tokyo.ac.jp/res01/ura201_j.html
9. Sakuma, I. et al. Establishing Professional Standards in Japan (NCURA年次総会ディスカッション・グループ発表資料). (2012).
10. 国立大学法人東京大学. 平成23年度産学官連携支援事業委託事業「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備(スキル標準の作成)」成果報告書. 299 (2012). at http://www.u-tokyo.ac.jp/res01/pdf/h23houkokusyo_final.pdf
11. 佐久間一郎. RU11による新職種としてのURAの検討(リサーチ・アドミニストレーターシンポジウムにおける佐久間リサーチ・アドミニストレーター制度検討タスクフォース座長発表資料). (2012). at http://www.u-tokyo.ac.jp/res01/pdf/ru11kentou.pdf
12. 先﨑卓歩. 東京大学におけるURAについて(国立大学法人等研究協力部課長会議発表資料). (2012). at http://www.u-tokyo.ac.jp/res01/pdf/1.h241012.pdf
13. 早稲田大学. 平成23年度「リサーチ・アドミニストレーター」に関する意識調査アンケート結果. (2012).
14. 矢野正晴, 林輝幸, 山下秀, 佐野浩幸 & 北郷太郎. 日本の大学に求められるリサーチ・アドミニストレーターと必要なスキル(大学行政管理学会発表資料). (2012).
15. Uretan. リサーチ・アドミニストレーター(URA)という職業を知っていますか?. Chem-Station (2013). at http://www.chem-station.com/blog/2013/05/-ura.html
16. Okano, K. University Research Administraton in Japan. NCURA Mag. 45, 17–18 (2013).
17. WEcafe1. WEcafe公開ゼミ「リサーチアドミニストレータ(URA)ってどんなお仕事?」. Togetterまとめ (2013). at http://togetter.com/li/501522
18. 山内薫. リサーチ・アドミニストレーターを活用しよう. 化学と工業 = Chem. Chem. Ind. 66, 699–700 (2013).
19. 原田隆. URA(University Research Administrator)の果たすべき役割(談話室). 生物工学会誌 : seibutsu-kogaku kaishi 91, 600 (2013).
20. 鳥谷真佐子. 大学における研究戦略の取り組み と図書館データベースの活用(大学における研究戦略の取り組みと図書館データベースの活用 : 金沢大学URAの事例とScopusによる自機関分析例発表資料). in 第15回図書館総合展 エルゼビア主催フォーラム (2013). at http://www.elsevier.com/jp/events/library-fair-2013/lf2013_toriya.pdf
21. 石村源生. URAとしての専門性を自力で築くヒント(発表資料). 第3回URAシンポジウム第5回RA研究会合同大会 150 (2013). at http://www.slideshare.net/gensei/ura-28401946
22. 文部科学省科学技術・学術政策局産業連携・地域支援課大学技術移転推進室. リサーチ・アドミニストレーター(URA)を育成・確保するシステムの整備. 文部科学省 (2013). at http://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/ura/index.htm
23. 国立大学法人東京大学. 平成24年度科学技術人材養成委託事業「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備(スキル標準の作成)」成果報告書. (2013). at http://www.u-tokyo.ac.jp/res01/pdf/h24_seikahoukokusho_final.pdf
24. 山本祐輔. 図書館データを研究推進にMOTTO利活用するための情報デザイン(京都大学図書館勉強会発表資料). (2013). at http://www.slideshare.net/hontolab/motto-27669041
25. 東京大学本部リサーチ・アドミニストレーター推進室電子書籍プロジェクト. URAを知っていますか : 大学、研究の新しい取り組みを支えるユニバーシティ・リサーチ・アドミニストレーター. (2013). at http://www.u-tokyo.ac.jp/ja/news/notices/1775/
26. Kornhauser, D. H. Cherry blossoms on the bench: Working with Japanese research universities (Research administration in Japan). NCURA Mag. 46, 46–47 (2014).
27. Kornhauser, D. H. & Ebata, S. 500 and counting: Japanese URAs gather for annual symposium (Research administration in Japan). NCURA Mag. 46, 12–13 (2014).
28. Okano, K. Training programs for middle/senior level University Research Administrators (URAs) in Japan. NCURA Mag. 46, 13 (2014).
29. 山本祐輔. 人文社会系分野における共同研究の頻度と規模. Yusuke Yamamoto’s Web site (2014). at http://hontolab.org/datablog/jinbun-shakai-project/
30. 山本祐輔. 助教クラスで基盤Bに採択されるかを調べた. Yusuke Yamamoto’s Web site (2014). at http://hontolab.org/ura/kiban-b-analysis/
31. 山野真裕 & 鳥谷真佐子. 大学の研究戦略支援業務を支える研究力分析ツール. カレントアウェアネス CA1833 (2014). at http://current.ndl.go.jp/ca1833
32. 山野真裕. 学際研究進展と大学組織改革の相互作用 : 東京大学における学際研究教育とURA配置の事例 (特集 研究開発における学際性). 研究技術計画 29, 132–143 (2014).
33. 鳥谷真佐子. 研究力強化のための情報統合と分析: リサーチ・アドミニストレーターの立場から. 情報管理 57, 490–493 (2014).
34. 鳥谷真佐子. リサーチ・アドミニストレーターと図書館の研究情報資源. 情報管理 57, 193–195 (2014).
35. 矢野正晴, 村上壽枝 & 林輝幸. 我が国のリサーチ・アドミニストレーターの現状と制度設計 : 東京大学の事例を中心として. 大学論集 45, 81–96 (2014).
36. [岡本真]. URAの将来と産業サイドの役割 : URAサポートフォーラム(仮称)の設立に向けて(セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-09/s-09-1_okamoto.pdf
37. [杉山岳史]. 研究者向けソーシャルサービス「コラボリー(COLABORY)」サービスご紹介(URAの将来と産業サイドの役割 : URAサポートフォーラム(仮称)の設立に向けてセッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-09/s-09-2_sugiyama.pdf
38. Karlsson, A. University 2.0とその先へ : なぜ,今こそ日本が行動をおこすべきなのか = University 2.0 and beyond: why now is the time for Japan to act (国際的な研究ネットワーク構築に必要な支援とは : URA主導の事例紹介も交えてセッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-03/s-03-1_kerlsson.pdf
39. Langley, D. & Colquhoun, L. Development of joint Japan / UK URA Professional Development activities(英国URA視察訪問の成果報告 : 日英URAネットワーク構築に向け、視察訪問からの学び、発見と今後のアクションセッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-12/s-12-1_langley&colquhoun.pdf
40. Wieczorek, I. Training program for senior university research administrators (URAs) in Japan: Meta trial module “University Management” (シニアURA向け研修プログラム「大学マネジメント(仮題)」試行セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-18/s-18-1_wieczorek.pdf
41. 伊藤伸. 「中・上級者向け研究マネジメント人材養成プログラムの開発」の概要と進捗状況(中・上級者向け研究マネジメント人材養成プログラムの開発セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-02/s-02-2_ito.pdf
42. 伊藤伸. 「中・上級者向け研究マネジメント人材養成プログラム開発」の全体説明(中・上級者向け研究マネジメント人材養成プログラムの開発セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-02/s-02-1_overview.pdf
43. 稲垣美幸. 金沢大学の研究戦略推進体制とURAの関与事例紹介(研究戦略推進支援におけるURAの役割セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-16/s-16-1_inagaki.pdf
44. 稲石奈津子. 京都大学URAネットワーク人文社会系支援(人社系分野への研究支援と研究評価 : グッドプラクティスを探るセッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-04/s-04-1_inaishi.pdf
45. 角谷賢二. 私大セッションについて(私大の研究力強化への新たな取組 : 国公立との違い、私大だからできるユニークな取組セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-15/s-15-1_sumiya.pdf
46. 角谷賢二. 関西大学におけるイノベーション創出に向けたURAの取り組み(私大の研究力強化への新たな取組 : 国公立との違い、私大だからできるユニークな取組セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-15/s-15-6_sumiya.pdf
47. 丸山浩平. ディスカッションに向けたセッションのモチベーション整理(私大の研究力強化への新たな取組 : 国公立との違い、私大だからできるユニークな取組セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-15/s-15-2_maruyama.pdf
48. 宮本岩男. 産学連携施策の新たな展開について(地域イノベーションとURAの機能 : ポストアワードのその先からの提言セッション基調講演発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-11/s-11-1_miyamoto.pdf
49. 広瀬容子, 松下豊, 鳴島弘樹, Stroll, J. & 甲斐真佐美. 研究戦略⽴案・評価のための研究⼒分析の総まとめ : 新しいInCitesを使った分析手法から事例まで(セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-17/s-17-1_matsushita,narushima,hirose&stroll.pdf
50. 恒吉有紀. 国際連携のアクションにつなげる : エルゼビアの研究マネジメント支援サービスの活用事例とヒント(国際的な研究ネットワーク構築に必要な支援とは : URA主導の事例紹介も交えてセッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-03/s-03-4_tsuneyoshi.pdf
51. 荒磯恒久. 地域連携とURA(地域イノベーションとURAの機能 : ポストアワードのその先からの提言セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-11/s-11-2_araiso.pdf
52. 高橋真木子. 中・上級者の研究マネジメントスキルを議論する際の視点の整理: スキル標準策定に参加した経験も踏まえて(中・上級者向け研究マネジメント人材養成プログラムの開発セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-02/s-02-4_takahashi.pdf
53. 今羽右左デイヴィッド 甫. URAと海外広報(世界は広いよ〜研究成果を海外のメディアへ!セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-10/s-10-1_kornhauser.pdf
54. 山田光利. 研究機能が分散する社会を想う(「研究支援学」は可能かセッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-13/s-13-05_yamada.pdf
55. 山本祐輔. URAかるた : URA業務の理解・共有を促進するゲーム教材(ポスター). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (2014). at http://www.slideshare.net/hontolab/karta-39177356
56. 市岡利康, 松本宏 & ランブレヒトステイン. Horizon 2020への参加他を通じた日欧連携促進に向けての国内情報ネットワーク構築の提案と意見交換(Horizon 2020への参加他を通じた日欧連携促進に向けての国内情報ネットワーク構築の提案と意見交換セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-06/s-06-2_ichioka.pdf
57. 松永康. 早稲田大学の研究力強化の取組(私大の研究力強化への新たな取組 : 国公立との違い、私大だからできるユニークな取組セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-15/s-15-5_matsunaga.pdf
58. 松本宏, 市岡利康 & ランブレヒトステイン. Horizon 2020ネットワークの提案(Horizon 2020への参加他を通じた日欧連携促進に向けての国内情報ネットワーク構築の提案と意見交換セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 11, (2014).
59. 森本行人. 人文社会科学系の研究力把握に向けた試み(人社系分野への研究支援と研究評価 : グッドプラクティスを探るセッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-04/s-04-4_morimoto.pdf
60. 石田貴美子. 同志社大学の研究支援体制とURAの役割(私大の研究力強化への新たな取組 : 国公立との違い、私大だからできるユニークな取組セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-15/s-15-8_ishida.pdf
61. 川上伸昭. 科学イノベーションの推進について(基調講演発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/00.pdf
62. 川人よし恵. 人社系研究支援ならではのプロセスを考える(人社系分野への研究支援と研究評価 : グッドプラクティスを探るセッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-04/s-04-2_kawahito.pdf
63. 川野克己. 東京バイオマーカー・イノベーション技術研究組合 Tokyo Biomarker Innovation Research Associate (TOBIRA) : 産学連携東京発先進医療への試み(地域イノベーションとURAの機能 : ポストアワードのその先からの提言セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-11/s-11-3_kawano.pdf
64. 池田雅夫. 現場の感覚(中・上級者向け研究マネジメント人材養成プログラムの開発セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-02/s-02-3_ikeda.pdf
65. 池田雅夫. 研究戦略推進支援におけるURAの役割(研究戦略推進支援におけるURAの役割セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-16/s-16-4_ikeda.pdf
66. 中谷吉彦. 研究の高度化に向けた「テクノプロデューサー制度」 : 立命館大学での取組みを例に(私大の研究力強化への新たな取組 : 国公立との違い、私大だからできるユニークな取組セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-15/s-15-4_nakatani.pdf
67. 長廣裕. 地域連携とURA : FAIS Kitakyushu Foundation for the Advancement of Industry, Science and Technology (地域イノベーションとURAの機能 : ポストアワードのその先からの提言セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-11/s-11-4_nagahiro.pdf
68. 田中好雄. 東海大学における研究推進支援体制の変遷 : 大学経営を支えるURA人財の仕事観と教職協働の実践(私大の研究力強化への新たな取組 : 国公立との違い、私大だからできるユニークな取組セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-15/s-15-7_tanaka.pdf
69. 田中耕司. 京都大学の事例からURAの役割を考える(研究戦略推進支援におけるURAの役割セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-16/s-16-3_tanaka.pdf
70. 馬場大輔. 研究マネジメント学 : “支援”より“マネジメント”?(「研究支援学」は可能かセッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-13/s-13-3_baba.pdf
71. 馬場忠. 研究戦略とURA(研究戦略推進支援におけるURAの役割セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-16/s-16-2_baba.pdf
72. 白井哲哉. 英国の研究評価体制からの考察(人社系分野への研究支援と研究評価 : グッドプラクティスを探るセッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-04/s-04-3_shirai.pdf
73. 武藤誠太郎. 京都大学-ブリストル大学のURA協働事例 英国URA視察訪問からの学び、発見(英国URA視察訪問の成果報告 : 日英URAネットワーク構築に向け、視察訪問からの学び、発見と今後のアクションセッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-12/s-12-2_muto.pdf
74. 北海道大学. 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会[プログラム]. in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/
75. 名久井恒司. 理科大ならではの研究推進のためのURAセンター機能強化(私大の研究力強化への新たな取組 : 国公立との違い、私大だからできるユニークな取組セッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-15/s-15-3_nakui.pdf
76. 櫻井一貴. リクルートテクノロジーズの産学連携への取り組み : 弊社のご紹介とURAへの期待も添えて(URAの将来と産業サイドの役割 : URAサポートフォーラム(仮称)の設立に向けてセッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-09/s-09-3_sakurai.pdf
77. 澤田芳郎. 産学連携の分化とコーディネータ(「研究支援学」は可能かセッション発表資料). in 第4回URAシンポジウム第6回RA研究会合同大会 (北海道大学, 2014). at http://mvs.cris.hokudai.ac.jp/ura_sympo/poster/sessionpresentation/s-13/s-13-2_sawada.pdf
78. 伊藤伸. 東京農工大学におけるURAシステムと専門職大学院での人材育成プログラム(「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備」スキル標準の作成/研修・教育プログラムの作成合同シンポジウム発表資料). (2014). at http://www.waseda.jp/rps/ura/event/files/140310_04.pdf
79. 横井理夫. リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備について(「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備」スキル標準の作成/研修・教育プログラムの作成合同シンポジウム発表資料). (2014). at http://www.waseda.jp/rps/ura/event/files/140310_01.pdf
80. 中島一郎. 研修・教育プログラムの策定(「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備」スキル標準の作成/研修・教育プログラムの作成合同シンポジウム発表資料). (2014). at http://www.waseda.jp/rps/ura/event/files/140310_03.pdf
81. 東京大学リサーチ・アドミニストレーター推進室. リサーチ・アドミニストレーター(URA)を 育成・確保するシステムの整備 : スキル標準の作成(「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備」スキル標準の作成/研修・教育プログラムの作成合同シンポジウム発表資料). (2014). at http://www.waseda.jp/rps/ura/event/files/140310_02.pdf
82. 菱田公一. 慶應義塾大学の専門員URA(リサーチアドミニストレーター)(「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備」スキル標準の作成/研修・教育プログラムの作成合同シンポジウム発表資料). (2014). at http://www.waseda.jp/rps/ura/event/files/140310_05.pdf

シンポジウム「日本の専門職養成の構造からみた図書館専門職養成の検討」参加の記

興味のあるテーマだったので,少し遠いですが参加してきました。

シンポジウム「日本の専門職養成の構造からみた図書館専門職養成の検討」
日時:2013年3月16日 (土) 13時30分~16時55分
会場:東京大学赤門総合研究棟2階200番室
主催:日本図書館情報学図書館情報学教育特別委員会図書館情報学教育WG
http://www.jslis.jp/events/20130316Symp.html

「専門職養成の日本的構造」の編著者である橋本紘市氏(東京大学)と,同書でそれぞれ管理栄養士,臨床心理士について書かれた鈴木道子氏(尚絅学院大学),丸山和昭氏(福島大学*1をお迎えし,これからの「司書」養成についての考えるというのがシンポジウムの主旨でした。
図書館側の登壇は,根本彰氏(東京大学),松本直樹氏(大妻女子大学),大谷康晴氏(日本女子大学)です。

全体の背景にあるのはこの本。*2

専門職養成の日本的構造 (高等教育シリーズ)

専門職養成の日本的構造 (高等教育シリーズ)


専門職養成におけるレジームを,1. 国・政府,2. 大学など養成機関,3. 市場(現場) の3者のパワーバランスとしてとらえ,医師,薬剤師などのさまざまな専門職について分析しています。*3「質」についての議論はおき,「量」をめぐる政治に絞って述べられているのですが,今回のシンポジウムでは「質」へも踏み込んでいました。
橋本氏は最近,日本では 3.市場(現場)を「専門職団体」と「現場・施設」に分けて4者の関係性を考えておられるとのこと。特に重要なのは「現場・施設」で,日本の専門職は病院や大学や図書館など「ハコモノ」の影響が大きい「ハコモノ専門職」と呼べるのではないかとのことです。

以下では,討論などの中で特に印象に残った,主に図書館サイドでない登壇者からのコメントを記しておきたいと思います。当日は裏方も仰せつかっていたので,受付やらマイクランナーもしつつの記録。不備な点,間違っている点もあるかと思います。学会から公式の記録が出れば,そちらを参照してください。

司書の養成課程,外からどう見える?

  • 「狭義の司書」養成にこだわる必要はないのでは。図書館予算は縮小し,非常勤が増えている。図書館での司書のマーケットは明らかに狭まっているのに養成はされている。もったいない。「情報コンシェルジュ」といったキャッチーな名称で考えてもよいし,司書の専門業務を広く捉えて汎用的なものにして他業種に打って出るとよいのでは。
  • このシンポジウムは「専門職化」が一つの到達点になっているが,司書がなぜ専門職化しなければならないのか。それだけのインセンティブがあるだろうか。たとえば看護師の教育が高度化,長期化しているが,現場からすると高等教育課程で受けた教育ではなく,現場での研修のインパクト(リアリティ・ショック)が大きい。学生からすると,資格のための高等教育を受けるのにはコストがかかる。(それを回収できて,)ちゃんとそれでお金をもらえる専門職でないと。
  • 集団としての専門職と,個としての専門職もある。司書は後者をどう考えるか?専門職には知識,スキル,マインドが必要という話をいつもしている。司書の知識・スキルはわかる。マインドは何?ライブラリアンシップはどこで身につくのか?(これについては図書館側から,課程でのマインド醸成や,マインドを維持するための専門職団体の働きについて不充分であったとの弁があった)

司書の適正な「数」って?

  • 専門職は構成物であるという認識。発言力が強いものが決めている。食えないとしかたないので,食えているという状態が適正数なのでは。食えているという現実をどこかに設定し,政治的アドボカシーを発揮する。それができていることが専門職では。
  • 過渡期には非常勤雇用が増える。食えるためには,数を抑えるか,市場の掘り起こしだが,臨床心理士に関しては,増えすぎて,いまバックラッシュがおこっている。

専門職として確立するために,どうすればよい?

  • 当事者の意志表示,政治的な動きをしなければ,専門職として滅んでしまう。根拠となる立法を働きかけるなど,当事者のがんばりが大事。(文字活字文化振興法は図書館にとって「使える」。が,業界が活かせていない。政治的な働きかけも不充分・・・)
  • 戦後,栄養士は要らないといわれたこともあるが,専門職団体ががんばって働き口を開拓し,いまは資格を取ればほぼ就職に困らない。就職先がなければ養成機関は成り立たないのは当然。
  • 業界としての地位向上と,専門職養成を,別々に,両輪でやることが大事。臨床心理士では,養成側ががんばっただけでは現場がついていかなかったこともあった。


以上は長いシンポジウムのあくまで断片なのですが,いろんな課題が読み取れるかと思います。
「司書はまだ本気出してないだけ。」最後に頭に思い浮かんだのはこんな感想でした。

*1:ほんの2週間前に福岡で,九州の大学教職員の集まる会で名刺交換したばかり。まさかこんな文脈の異なる場で間をおかずに再会するとはびっくり

*2:こちらも。 根本彰, 松本直樹, 青柳英治. 日本的専門職養成構造における司書の位置づけ: 「管理栄養士」「臨床心理士」との比較において. 生涯学習基盤経営研究. 2012, 37, p.57-71.

*3:司書についての章はありません。

図書館総合展2012 : 3. 文化資源のエコシステム

文化「資源」とするか「資料」とするかすごく迷ったのですが、「文化資源」ていう言葉を流行らせたい人がいるので「資源」にしてみました。*1
また、私は私で「エコシステム」という言葉がマイブームなので、これらをくっつけて3つ目のキーワードとしてみました。なんらかの資料がうまく収集・整理・保存・提供される仕組みがあり、しかるべくユーザに使われているという状態をエコシステムと呼びたいと思います。*2

総合展では、さまざまな人が、さまざまな種類の資料について、収集は?整理は?保存は?公開は、メタデータは、人材は、予算は、ビジネスモデルは・・・?と問題提起をし、今現在できてきつつある仕組みについて、紹介したり、将来あるべき仕組みについて提案したりしていました。
「さまざまな種類の資料」つまり話題にあがっていた文化資源は、たとえば以下のとおり。

  • 紀要
  • 学位論文
  • 大学、美術館、博物館などが発行する報告書
  • 教材(教科書、講義)
  • ミニコミ
  • 脚本
  • 記録映画フィルム などなど・・・

NCCのフォーラムは、全体として、日本の文化資源は世界から求められている。量も質もまだまだ。もっと発信すべし、という熱いメッセージになっていました。*3
東大の吉見先生は、脚本など従来の仕組みでは計画的に収集されてこなかったような資料群の現況、そしてすでにある資源から多様な知を生み出してきた大学の役割に触れ、全部をつなぐ仕組みと、それを創って支える人材の必要性を述べていました。

NIIのフォーラム「学術電子教科書・教材はこうなる」では、電子教科書・教材の萌芽期にあって、大学が主体となっておこなうオープン化と、出版社を含めたビジネスモデルづくりとの狭間で出てきているいくつかの事例(CHiLOブック、慶応義塾大学における電子教科書実証実験)の紹介や、ライセンスなどの問題提起がおこなわれていました。
(ここは今の自分の仕事ともっとも関わる部分だったのですが、ビジネスモデルの構築にあたっては学生が電子教材に対してどのようなニーズを持っているかは重要だけれど、それに合わせていたらなかなか進まないのでは?という感想を持ちました。あと、ORCIDやJaLCの枠組みが教材のオープン化にどう絡むかはまだイメージできてないところ)

大学図書館が長年扱ってきた主な文化資源は図書と雑誌でした。しかも「紙の」「ある程度の部数出回っている」ものが得意分野。そんな中、紙の代替として電子ジャーナルや電子ブックが既存の仕組みに入り込んできて約10年、今ようやく、全国規模の電子リソースデータベースが構築されようとしていたりもします。*4
ただやはり、依然として「紙の」「ある程度の部数出回っている」図書や雑誌をうまく収集・整理・保存・提供するために最適化された今の大学図書館のシステムはなかなか変えにくく、電子リソースの扱いにはどこも苦労しているようです。変えにくさは、このシステムを作ってきた先輩図書館員や、維持している今の図書館員の努力の結果にほかならないのですが・・・。

ここにきて、図書館が関与したらもっとうまいエコシステムができそうだとされる文化資源の幅がぐっと広がってきました。紙か電子かというだけでなく、です。図書館が組織として持っている、あるいは個々の図書館員が持っている経験、知識は、他の種類の文化資源のエコシステム構築にも適用可能であり、MLA連携やMALUI連携と言われる中で、その価値は意外と高そうなのです。
どこからどこまでが図書館員の扱うべき資源かという問は意味をなさないほど文化資源が多様であることは明白で、あとはMやAやUやIの人とどう協働するか、ということになるんだろうと思います。仕事が増えて大変ですが、いっしょにやればいいよ、ということですね。

*1:福島幸宏. 大学の文化資源へのゲートとしての大学図書館. 図書館雑誌. 106(11). http://researchmap.jp/muo3gjfbz-16665/

*2:校正のたびに周囲に「わからん」と言われつつ、かろうじて英語にその言葉を留めてみた「要覧」の1ページはこちら。 http://www.lib.kyushu-u.ac.jp/media/publications/yoran2012_p08-09_er.pdf

*3:詳しくは江上さんによるブログ参照 http://egamiday3.seesaa.net/article/304120663.html

*4:NIIによる別のフォーラム「日本のナレッジベース構築に向けて: 電子リソース管理データベース(ERDB)プロジェクトの現状と将来展望について」でERDBの紹介がありました。 http://2012.libraryfair.jp/node/884

図書館総合展2012 : 2. 学習支援

「学習支援」はいま、大学図書館業界の大きなトレンドで、会議やイベントや研修やらで必ず触れられる話題です。10年ほど前から図書館で実施されてきた「情報リテラシー教育」の流れにはあるのですが、「学習支援」の枠組みでは、ハードとしてのラーニング・コモンズ、ソフトとしての学生協働をミックスした取組が紹介されているようです。

まずはソフト、「学生協働」について。
学生協働と一口に言っても、いろいろです。総合展初日に図書館100連発てのをやっていましたが、「学生協働」の取組事例も全国でかるく100は超えそうです*1

今回聞いた中でも、静岡理工科大学の学生コンシェルジュ(学生本人の登壇が新鮮だった)、ICUのライティングサポート、神戸学院大学の「図書館留学」(留学生協働)、明治大学和泉図書館の「レポートの書き方ナビステーション」、立教大学「ラーニング・アドバイザー」などなど・・・ポスターセッションでも百花繚乱状態でした。

中でも「これはうまい!」と思ったのが、神戸学院大学の「図書館留学」です。リーズ大学との交換留学制度があるが、学生の英語力が低くて日本からの留学が近年ないという状況。なんとかしなければと多読ラリーや、リーズ大学からの留学生との会話をする場を設けるなどいろんな取り組みを図書館で展開。英語力アップの成果もきちんと出ています。さらに同窓会からも評価されて、教材費やTOEIC受講料、留学費の補助を寄附されたそう。まさに図書館、学生/留学生、同窓会の三方良し。ニーズと企画と結果がうまくかみ合っています。*2

資金調達、人材育成、誰がやるか、専任か委託か、職員か学生か・・・いろいろな課題は出されていましたが、リソースが限られているのはどこも同じです。ひとつ印象に残った発言がありました。新入生対象に、7人の専任職員と業務委託のスタッフとで200回もの授業をこなしているという図書館の方が、アメリカの図書館員に「それは20年前のアメリカの状況だ」と言われたことがあるそうです。図書館が無理をしているだけというバランスのよくない状況は脱却し、教員とともに教育目標を共有する中で必要なリソースは確保できて、自然と図書館員が教育の中に埋め込まれる(embedded)状況というのがまだ私たちには思い描けてないのかもしれません。

ラーニング・コモンズに関しては、Lippincottさんの発表が海外事例満載でした。お金をかけなくてもできる事例も。スライドはまた公開されると思いますので、紹介は省略します。

いろいろな事例をきいた結果、今のところ、ラーニング・コモンズ/学習型図書館の成功パターンはだいたいこんなふうにまとめられるのではないかなと思っています。

  • 活発なエリアと静粛なエリアの効果的な配置
  • 学生との協働
  • 空間、設備利用の柔軟性(何かを置いておけば勝手に好きなように使われる)
  • 設備と、それを使っている人を見せる工夫

学習支援の形は本当に大学それぞれです。自分の大学で学生支援を考えるときも、他校の事例を大いに参考にしつつ、それぞれの大学の学生の質や教育ポリシーによってそれぞれ考えればいいのだと思います。ただその時には、「図書館の局所戦」に終わらないよう、学生や、教員、教学担当の職員との協働が欠かせないってことですね。
図書館における学習支援やラーニング・コモンズについて語る人も、図書館職員だけではなく教育工学や高等教育が専門の教員など、今までにない拡がりを見せています。図書館のトレンドとか業界とは離れて考えると、大学の教育の中心であった教員や教学担当部門が、低年次教育の見直しや「学士力」の強化、アクティブ・ラーナーの養成・・・という流れの中で、あらためて図書館の可能性を発見した、というふうにも捉えられるのではないでしょうか。

*1:学生協働まっぷ http://dl.dropbox.com/u/15665405/map/index.html 惜しい!現時点で事例は73

*2:なんと、神戸学院大学の「図書館留学」は、ポスターセッションの最優秀賞にも選ばれてしまいました。 http://2012.libraryfair.jp/node/1268

図書館総合展2012 : 1. 研究評価

「研究評価ツール」というサービスをいろんなところが製品として提供してきています。そのうち2社の製品について詳しく知る機会がありました。

  • SciVal Experts, SciVal Spotlights (Elsevier)
  • Symplectic Elements (Symplectic)

総合展の直前に福岡で講演(録画) があった文献管理ツールMendeleyの機関版も、研究評価ツールの一つといえるかもしれません。総合展でのフォーラムもあったのですが、こちらは参加できず。*1

さて、大学の研究評価とは何か、です。まずは研究者の研究情報を収集し、分析するということになると思いますが、以下のような目的があるようです。

  • 高等教育機関としての認証評価対応(評価機関/国に対して)
  • 研究成果分析(研究費の効果的配分、研究者/研究チーム評価、共同研究分析)
  • 研究成果の公開(社会貢献、説明責任)
  • 機関の比較分析(機関の強み/弱み分析、研究費の効果的配分)
  • 大学ランキング対応

研究者情報の収集と公開は日本でも多くの機関がおこなっていますが、2社の製品は、研究者自身が、あるいは自動でScopusやCiNii Articlesなどの外部の文献データベースから簡単に書誌情報を取り込んで研究成果情報を管理でき、公開もできるというのが共通の機能といえるようです。図書館との関連でいえば、信州大学や九州大学のように研究者情報とリポジトリとの連携を行なっている大学もいくつかありますが、Symplectic Elementsは、リポジトリとのさらに密な連携が売りで、ケンブリッジ大学が中心になって実施しているJISCのDURA ProjectではMendeleyとの連携にも取り組んでいます。どうもこんなかんじのフローになるようです。

  1. 自分の研究のため:研究者は自分の研究の参考にする文献をMendeleyで管理→自分の研究成果論文も登録
  2. 所属する機関の研究評価のため:Symplectic Elementsと同期。公開ファイルを選択(SHERPA/RoMEOの情報と付きあわせて、リポジトリに登録できるかどうかもすぐわかる)
  3. 世界の研究コミュニティのため:DSpaceで自動的に公開

Elsevier社のフォーラムでは控えめに、Symplectic社のフォーラムではかなり何度も、研究評価における図書館員の役割に触れておられました。Symplectic社のプレゼンは、製品の紹介よりもイギリスの高等教育政策におけるリサーチ・アドミニストレーションに関する内容がほとんどでしたが、その中で図書館員の果たす役割が大きかった(あるいは「大きいはずだよ」というencourage)とのことです*2。現在イギリスの約半数の大学で採用されているElementsの運用の8割を図書館が担っているとのことでした。

ですが、そこで日本の大学ですぐに図書館が研究評価のためのデータ収集と分析に中心的な役割を果たし、上記の研究評価の目的を果たしていくことに関与できるのかどうかというと、そういう条件の揃った大学は少ないのではないでしょうか。まず機関内にそういったニーズがあるかどうか、です。「学習支援」と同様、これも学内の他部門(研究支援部門、研究評価部門、URAなど)とのやり取りの中で、図書館の役割があるのかどうか、見出していきたいところです。

ただそういった部門が基本的な研究評価指標(インパクト・ファクターなど)の解釈におそろしく慣れていない場合や、こういった研究評価ツールがあるということを知らない場合や、せっかく集めたデータの扱いがまずく、相互運用性の低い公開のしかたをしてしまう場合があるでしょう。図書館と関係のない話ではないので、研究評価の方法については「知っておいて損はない」程度にアンテナを張って、学内の関係部門とは日頃からコネクションを持っておく必要はあると考えます。

ところで今年は「データ・キュレーション」というキーワードを聞かなかったのですが、たぶん来年もっと出てくるとおもしろいかなと思っています。学内の、特に研究で生み出される情報は論文だけではなく、実験データやフィールド・ノートなどさまざまなものがあり、図書・雑誌だけでなく、それらをたとえば著者名典拠(IDで管理された研究者情報含む)や外の情報とうまく結びつけると研究評価にも使える情報になっていきます。こういった仕組みづくりに図書館は長けているはずですし、その中で必要とされるならば、自ずと研究評価、リサーチ・アドミニストレーションの分野に近づいていくことになるのでしょう。Elsevier社のフォーラムでScopusとの連携について詳しく説明されていた、研究者ID、ORCIDについても認知度が高まっていくと、図書館にとっていいことがあるのではないかな・・と、思っています。(3つ目のキーワード、「文化資源のエコシステム」にも関わってくるところです。)

また、新しい研究評価指標として、Altmetricsが出てきています。ちょうど坂東さんの論文*3が発表されたところなので、押さえておきたいところです。

追記:
Scopusと連携しているといっても、日本の人文科学系の研究者の論文はほとんど収録されていないから、連携が便利、というわけではないのでは?また、人文科学系の研究の評価はこういったツールを使った評価になじまないのでは?そんな意見が出てきそうですが、海外ですでに積み重ねられた議論があるでしょうし、日本では今後の課題、なのだと思います。

*1:登壇者でもあった坂東慶太氏による詳しいレポートがあります。 http://keitabando.org/2012/11/27/victoratyokohama/

*2:詳しくは id:min2-fly によるレポートを参照。 http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20121122/1353579957

*3:坂東慶太. Altmetricsの可能性 ソーシャルメディアを活用した研究評価指標. 情報管理. 2012, vol. 55, no. 9, p. 638-646. ブログ版は http://keitabando.org/2012/11/30/altmetrics/

図書館総合展2012の3つのキーワード

10日ほどたってしまいましたが、前のエントリのように遊んでばかりいたわけではないということも主張しなければならないので、今日からは今回の図書館総合展で参加したフォーラムなどなどをまとめていきたいと思います。
途中参加も含めて、顔を出したセッションは下記の9つ。

今回は、学習支援関連の予算をいただいての参加でしたので、そういう内容が多くなっていますが、私が見た限りの今年の総合展、次の3つのキーワードでまとめたいと思います。なおなお、総合展の後に録画を見たり、他から得たりした情報も織り込んであります。

  • 研究評価
  • 学習支援
  • 文化資源のエコシステム