2011-01-01から1年間の記事一覧

妄想に捧げる、小話

長大な作品を物するのは、数分間で語り尽くせる着想を五百ページにわたって展開するのは、労のみ多くて功少ない狂気の沙汰である。よりましな方法は、それらの書物がすでに存在すると見せかけて要約や注釈を差しだすことだ。 ーJ. L. ボルヘス

日曜の朝の、小話

「図書館」は、その規模がどのようなものであっても、本来的に、際限のないものである。というのも、「図書館」は常に(どれほどうまくつくられていても)、欲求を下回ると同時に上回るからである。「図書館」にはある癖があって、欲しい書物は決してない、…

今日も小話をひとつ

あの日、ショーペンハウエルを包んでくれた書店員さん、あの日は警察に追われ、隠れる場所に困って、書店に飛び込んでしまいました。おかげで見つからずにすんだと思ったら、その日の夜にアルトナ駅の中であっけなくつかまってしまった。事情はいろいろあっ…

もうひとつ小話を

なにをひとりごとをお話しです?ーえ?ひとりごとは早く年をとらせます。ーならば、たわごとを言って若返りましょう。たわごと?ー未来のコトバです。それをお待ちしていました。

まずは小話をひとつ

ある時期ぼくはよく一つの夢を見た。朝まだ寝ぼけたまま新聞を開く。「三つのいいニュース。レオス・カラックス死亡」とある。びっくりする。だって、レオス・カラックスは自分だとしょっちゅう思ってたわけだから。それですっかり気が楽になる。ぼくはレオ…