図書館総合展を暮らす

2012年11月20〜22日まで、図書館業界の祭典ともいえる図書館総合展に参加してきました。参加は2回目、今回はがっつり3日間フォーラムに出て、情報を取り込むモードだったのですが、こちらのまとめはさすがに後回し。まずは総合展周辺でどうやって過ごしていたかを記しておきます。

自転車通勤

関内駅の近くに宿をとってしまったため、総合展会場のパシフィコ横浜の最寄り駅まで1駅だけという歩けないこともない、でも歩くとしんどいという中途半端さ。事前に登録しておいた横浜コミュニティサイクル baybikeを使って、自転車通勤していました。どの駐輪場から乗って、どの駐輪場で降りてもいいというシステムです。
ちょうどホテルのそばと、みなとみらい駅の下に駐輪場があったので助かりました。
中華街へ朝粥を食べに行ったり(馬さんの店
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海沿いを走ったり
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少しの時間で横浜観光らしいこともできるのでオススメです。
baybike は2014年3月までの社会実験だそうですが、続くといいですね。

行くべし、氷川丸

総合展が終わった次の日になにげなく行ったのは氷川丸
王道すぎる観光スポットかもしれませんが、あなどれません。
操縦室から客室、エンジン室にいたるまで、見所いっぱいです。まさに近代化遺産。
ええ大人が2人で騒ぎっぱなしでした。
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最後、氷川丸に寄せられたメッセージがどれも時間の重みを感じさせます。中に、フルブライト奨学金を受けてアメリカへ渡ったという人の名前に見覚えがあり、調べてみると、母校の物理学の教授でした。大学図書館ならどこにでもあるような教科書も書いておられる。そんな研究者の青春の1ページだったわけです、氷川丸は。

その他、放送ライブラリーでまったりと昔のCMやテレビドラマを観たりもしました。同じ建物内の新聞ライブラリーも一度は行っておくべきところかと思っていたので行っておきました。

図書館のウェブサイトについて考えてみた。長研レポート再録

今年7月前半の2週間、筑波大学大学図書館職員長期研修 *1という研修に参加しました。国公私立の中堅どころの大学図書館員ならだれでも参加できるけれど、特に国立大学法人の係長クラスの職員はなんとなく必ず受けるもの、とされているイニシエーション的な研修(と、私は思っている)で、歴史は長く、今年で44回目だそうです。
さて、研修が終わると、9月あたまにレポートを提出しなければなりませんでした。テーマはある程度例示されているのですが、研修の内容に結びついていればほぼなんでもいいという課題で、結局、いつものことながら〆切り直前に書き始め、研修の内容に結びついているかどうかは怪しいテーマのレポートを提出しました。以下はそのレポートを手直ししたものです。
仮説の一つとして、図書館のウェブサイトのつくりようによっては、ウェブサイトを訪れた利用者が、実際に図書館に足を運んでくれて、何らかの物的・人的サービスを利用してくれるのではとうっすら考えつつ書いたのですが、いまはそうは考えていません。ウェブサイトにそんなすごい魔力はない。ウェブサイトにはウェブサイトに向いた役割があり、まずはそれをきちんと形にすべきと思っています。

非来館と来館を結びつける図書館ウェブサイト

1 はじめに

 研修を受けた私たちが大学図書館で働き始めた頃に比べると、大学図書館に求められる機能、図書館員に求められる役割や能力は大きく変化してしまった。とりわけ、ウェブを通じてのヴァーチャルなサービスや、電子ジャーナルなどの電子リソースの提供の重要度が増してきたことが、その変化の大きな要因となっている。一方で、ラーニング・コモンズのような、学習の場としての図書館の捉え直しが進み、物理的なサービスにも新たな展開がある。本学でも、その両方に力を入れてきた。電子ジャーナルなどの電子リソースの増加によって図書館を訪れなくなった利用者層もあるが、イベント開催やラーニング・コモンズの整備によって、来館者の総計は増えている。
 このような状況の中で、図書館のウェブサイトやソーシャル・サービスを、非来館型利用と来館型利用を結びつけ、相互の利用を促進させる意味で捉え直すということを本稿の目的としたい。図書館は、大学の中でも早くからウェブサイトによる情報発信を始めており、おそらく10年以上前に有志の手で作られた最初期のホームページからすでに2回目、3回目のリニューアルを重ねた図書館も少なくない。筆者は目下、ウェブサイト更新に取り組んでいる。長期研修では、正面からウェブサイトを取り上げたものはなかったが、電子図書館、ディスカバリ・サービス、ソーシャル・メディア、学習支援、高等教育政策、ラーニング・コモンズ・・・といった研修でも頻出したトピックに関連し、利用者とじかに接する図書館サービスのインタフェースとして、ウェブサイトを捉えることが可能である。ウェブサイト運営についてはすでに豊富な経験を持つ大学図書館ではあるが、現在の状況下で、ウェブサイトに求められる、多様な資料と多様な利用形態とを結びつける新しい要件とは何なのか、あらためて考えてみたい。
 考察の方法としては、まず、最近リニューアルをおこなったいくつかの海外の大学図書館のウェブサイトを比較し、そこから図書館が解決しようとしている政策課題、重点を置いている経営戦略を読み解く。さらに、政策課題やソーシャル・サービスの動向を踏まえながら、ウェブサイトに求められるコンテンツやデザイン、必要条件を考える。

2 ウェブサイト比較

スタンフォード大学*2 *3
http://library.stanford.edu/
 スタンフォード大学図書館のウェブサイトは、2012年8月に入って、リニューアルした(図 1)。旧サイトは、Internet Archiveによると、2004年から同じデザイン(図 2)であったようであるので、見た目においては、実に8年も使われていたサイトということになる。新しいウェブサイトのプロジェクトチームのサイトによると、2011年3月にプロジェクトが始まっているので、1年以上かけて準備を進めてきたウェブサイトということになる。
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図 1 スタンフォード大学図書館ウェブサイト(リニューアル後)
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図 2 スタンフォード大学図書館旧サイト(2011年7月. InternetArchiveより)
 新しいウェブサイトの特徴は以下のとおりである。

  • 検索窓がもっとも目立つ。
    • Search everything: 蔵書検索やデータベースリスト、図書館ウェブサイトを統合的に検索する。資料だけでなく、’renew books’ =「貸出期間を延長する」など図書館の使い方でも、文字どおり「なんでも」検索できる。
    • Books & media: SearchWorksという次世代蔵書検索。Blacklightを利用している。
  • 特別展やニュースのイメージが入れ替わりで表示される。ニュースの見出し一覧はない。
  • 真ん中のバーは、開館時間、問合せ、施設・・などの情報へのショートカットで、クリックすると、ページ下部のみスムーズにショートカットに対応する内容を表示する。
  • 上にAbout, Using the library…とグローバル・ナビゲーションがあり、フッターにも同様の目次がある(フッターのほうが少し項目は多い)。

 スタンフォード大学は、シリコンバレーの中にあって、電子リソースを中心とした非来館型利用の多い印象を持つが、ウェブサイトは上部で電子リソースを含めた情報検索、下部は来館利用のための開館時間や施設などの基礎情報に特化という、来館・非来館の両方を意識した明快な作りになっている。旧サイトのようにサービスすべてを網羅するようなリンクは上部のナビゲーションと下部のフッターにさりげなく置かれるのみで、頻繁な利用は想定していないと思われる。旧サイトもであるが、多くなりがちなニュースの見出し一覧はなく、広報機能は最小限になっている。ソーシャル・サービスとの連携もない。以前のものよりシンプルで、図書館で主に何ができるか、何をすべきかということがすぐに理解できるような作りになっている。
 2010年「本のない図書館」(Engineering Library (Terman) )を新たに建設したように、資料は電子的なものが中心とならざるを得ないが、「場」としての図書館の提供も重視しているという政策が反映されているといえる。

トロント大学
http://onesearch.library.utoronto.ca/
 トロント大学図書館のサイト(図 3)も比較的新しい。特徴は以下のとおりである。

  • 検索窓をメインに据えている。
    • Search allで検索すると、スタンフォードと同じく、何らかのカテゴリーに分かれて検索結果が表示される。
  • 検索窓の右に、開館時間や質問のアイコンが並んでいる。
  • 下部にニュースや講習会の見出し一覧が表示される。

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図 3 トロント大学図書館ウェブサイト
 色数を絞っているために、非常にシンプルな印象であるが、スタンフォードと比べると、グローバル・ナビゲーションの網羅性や、数秒ごとに変化する右上のバナーなどのおかげで煩雑な印象もある。
 アイコンによるショートカットメニューは、他の大学図書館にも見られる。iPhoneなどの普及によって、利用者はアイコンでシングルタスクを実行するという感覚に慣れ親しんでいる。それをサイトにも取り入れたということであろう。
 各ページ(図 4)も非常にシンプルであり、共通のヘッダーとフッターを除くと、ページの内容の他は「Ask」というチャットへのリンクがあるのみである。
 トロント大学は北米有数の規模の総合大学で、図書館の規模も大きい。多様なサービスを利用者が自分で選んで利用し、必要とあれば図書館員に尋ねるという利用を想定した、利用者中心の設計思想が読み取れる。
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図 4 トロント大学図書館ウェブサイト1階層下ページ

リーズ大学
http://library.leeds.ac.uk/
リーズ大学図書館のウェブサイトの特徴は、Skills@Library (図 5)やResearcher@Libraryといった学習・教育、研究向けコンテンツの構成や充実度である。
 トップページの検索窓は、ディスカバリ・サービスとOPACの2種類のみで、検索の違いがわからない人のための説明が丁寧である。
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図 5 リーズ大学図書館ウェブサイト Skills@Library
 Skills@Libraryでは、学生向けには数学やライティング・スキル方に関するコンテンツや、マンツーマン指導、講習会などサービスへの誘導がワンストップで提供されている。教員向けには、「デジタル時代の学習とは」といったマニュアルなどへのリンクがあり、図書館という枠を超えて学習・教育に役立つリソースがまとめられている。このページは2012年のLILAC: Librarians’ Information Literacy Annual Conferenceで賞を受賞している 。ウェブサイト上での展開だけでなく、もちろんそれらをサポートする組織体制も整っている。研究者向けコンテンツ(Researcher@Library)もスタンフォードやトロントと比べると、学習・教育寄りの内容が多く、サイト全体もそれを重視して構成されていると思われる。

3 政策とウェブサイト

 3つの大学を比較すると、各大学とも、明確なポリシーでウェブサイトを構成されていることがわかる。ウェブサイトのポリシーが、図書館全体の政策とどれくらい密接に連携したものであるかは今回精査できなかったのだが、取り上げた3大学以外の大学図書館サイトも合わせて眺めてみると、学習支援や、来館利用の促進、ソーシャル・サービスの利用などはトレンドとして読み取れ、それは高等教育上の政策課題の大きな流れと一致するのであろう。
 リーズ大学図書館のサイトに見られるように、大学図書館で力を入れている学習支援サービスをウェブサイト上でも大きく位置付け、相互作用を目指すという方策は大いに参考になる。当然ながら、実際にそういったサービスをおこなう人、体制がなければウェブサイト上で展開は不可能であり、ウェブサイトのコンテンツが維持できなければ意味がない。また、このようなサービスの展開にあたっては、図書館だけでなく、組織外の教員との協働も欠かせない。この点においても、図書館の政策、経営戦略と実際の取組み、図書館ウェブサイトは関連しているといえる。

4 非来館と来館を結びつける

 大学の役割である教育・研究のどの場面においても、ソーシャル・サービスの重要性は増すばかりである。学生のスマートフォン所持率が高まり、ソーシャル・サービスを日常的に活用している層が増えてきた。教員の中にも、積極的にTwitterFacebookを利用し、情報発信や学生、社会とのコミュニケーションをおこなう者もでてきている。若い教員だけではなく、年齢層の高い教員にも見られる。ソーシャル・サービスを学習に組み合わせて使う教材コンテンツやアプリも増えている。望むと望まざるとに関わらず、ソーシャル・サービスのトレンドを捉えておかなければ、図書館運営上必要な、利用者のおかれた情報環境や、社会における情報の流れを理解できなくなってしまう。
 このような利用者像の変化の中、一方的な情報発信のみが重要視されてきた図書館ウェブサイトの広報機能の限界があらためて浮き彫りになってきている。図書館ウェブサイトのニュースは見られているだろうか。ウェブサイトがわかりにくく、好ましいデザインでなかったために、潜在的な来館利用ニーズをうまく引き出せていないのではないか。Twitterでの”ゆるい”つぶやきやリプライのほうが訴求力が高いのではないだろうか。Facebookでの「いいね!」数は利用者からの反応を即座に知ることができ、ウェブサイトよりも効果が測りやすく、運営側のモチベーションを上げることにもつながる。広報だけならばFacebookの方がより高い効果が得られるのではないか。これまでも、ウェブサイトよりOPACなどの検索サービスの方が利用数が多かったのではないか。だとすると、ウェブサイトの機能とはなんだろうか。
 スマートフォンで資料を検索し、電子リソースを利用し、図書館へは行かないという非来館型利用が今後も増え続けるであろう。しかしながらそのような利用を普段おこなっている利用で、ふと困難に出会った時、解決策へうまく誘導できるのがウェブサイトに残されたもっとも基本的な役割ではないかと思う。ここでは実は、非来館と来館は対照的なものではなく、図書館の基本的なサービスを展開する場としては、ただヴァーチャルか物理的かの違いだけで、いずれの利用においても、同様に何らかのソリューションを提供できるということが求められている。

5 おわりに

 大学図書館にはさまざまな課題があるが、具体的な解決の場としてウェブサイトを取り上げ、いくつかの海外大学図書館サイトの比較を通じて、現在の状況下でどのようなサービスの展開がありうるかを検討してきた。
 サイトのデザインとしては、次のようなトレンドがあると考えられる。

  • ビジュアル・デザインや構成はシンプルで、整理された印象を与える
  • もっとも望まれる最小限の基礎情報をトップページに置く
  • 検索窓をトップページに置く(デザインは各図書館で試行錯誤*4
  • アイコンなどで、頻繁に使われる機能はすぐに利用できる

 つまり、ウェブサイト以前に、図書館のサービスが整理されており、どのような利用者をターゲットにし、ターゲット層が何をもっともよく利用するか、考えられていなければならない。また、資料検索は図書館の主要なウェブ・サービスであるので、ディスカバリ・サービスなどの検索そのものを洗練させることも必要である。
 大学、そして図書館の政策課題として学習支援を重要視するのであれば、リーズ大学のようなウェブサイトも可能であるが、それ以前に、学習支援をおこなう組織体制がなければならない。
 また、外部環境の大きな変化として、ソーシャル・メディアの発達と普及はうまく捉え、図書館ウェブサイト、もしくは広い意味でのウェブ・サービスに取り入れることができれば、広報機能がより強化されるであろう。
 非来館型と来館型利用を結びつける戦略としてウェブサイトを捉えてきたが、図書館の政策や外部環境の変化を考えると、どちらにおいても利用者が等しく、必要になったときに図書館サービスを受けられるように設計することが重要である。

*1:大学職員向けの研修でも、こんなに長い研修はめずらしいようです。昔は3ヶ月あったという話ですが・・・ [http://d.hatena.ne.jp/daigaku-syokuin/20110707/p1:title]

*2:id:kitoneによる、もっとちゃんとしたレビューがあります。→ [http://cheb.hatenablog.com/entry/2012/09/17/202602:title]

*3:こちらも参照のこと。 [http://orweblog.oclc.org/archives/002202.html:title]

*4: [http://musingsaboutlibrarianship.blogspot.sg/2012/08/how-are-libraries-designing-their.html:title]

いなくなった猫についての小話

ぼくたちは猫を飼わなくなった。そして、時がながれた。とうさんはあいかわらずもの忘れがひどく、ねえさんはカードでだけしゃべり、ぼくは窓の外を通りすぎるなん百匹もの野良猫を見続けてきた。うちのなかにぽっかり空いた空白は、充たされないままだ。
ねえさん。こうやって猫を観察し続けてきたぼくの意見によれば、あらゆる猫は、みんな少しずつ、ヘンリー四世とフォルスタッフに似ている。そして、猫と人間も、みんな少しずつ、ヘンリー四世とフォルスタッフに似ているのだ。
ねえさん、いつかあなたもそのことを認め、カードではなく、その声でしゃべり、あたらしい「ヘンリー四世とフォルスタッフ」をぼくたちのうちに導きいれる日がくるだろうか。 ー高橋源一郎「ヘンリー四世とフォルスタッフ」

人という字は

いいか息子よ
人という字をよく見てみろ
人と人が支え合って出来てるわけではないぞ
大きい方が小さい方に寄っかかってんだぞ
大きい方が小さい方に寄っかかってんだぞ

藤岡藤巻「息子よ」

点をつなぐ、小話

偉い小説家のトルストイという人の言葉で「幸せな家庭の幸せは同じ形をしているが、不幸な家庭は不幸の形がそれぞれ違う」というようなのがあるそうです。でも、小説の中ならともかく、現実のいろいろな家庭に入り込んだ私たちの経験で言いますと、そんな分け方で簡単に分けられるような家庭はありませんでしたし、そもそも幸福とか不幸とか、そんな指標はどんな家庭にも必要ないように思えました。幸せとか不幸とかとは離れて在る暮らしそのもの、そういうものの中に私は置かれていたいと思います。 ーシラク・ド・ウチョテより / 佐藤雅彦「考えの整頓」

妄想に捧げる、小話

長大な作品を物するのは、数分間で語り尽くせる着想を五百ページにわたって展開するのは、労のみ多くて功少ない狂気の沙汰である。よりましな方法は、それらの書物がすでに存在すると見せかけて要約や注釈を差しだすことだ。 ーJ. L. ボルヘス

日曜の朝の、小話

「図書館」は、その規模がどのようなものであっても、本来的に、際限のないものである。というのも、「図書館」は常に(どれほどうまくつくられていても)、欲求を下回ると同時に上回るからである。「図書館」にはある癖があって、欲しい書物は決してない、かわりに別の書物を提供する。「図書館」は、欲望の対象の代理物に満ちた空間なのである。「欲望」を秩序に従わせるという意味では、「図書館」は、読書の冒険に対して、現実的なものである。「図書館」は、常に大きすぎるか小さすぎて、「欲望」とは根本的に合致しないのだ。「図書館」から快楽、充足、悦楽を引き出すためには、主体は、自己の「想像的なもの」を吐露することをあきらめねばならない。 ーR. バルト「読書について」