まずは小話をひとつ

ある時期ぼくはよく一つの夢を見た。朝まだ寝ぼけたまま新聞を開く。「三つのいいニュース。レオス・カラックス死亡」とある。びっくりする。だって、レオス・カラックスは自分だとしょっちゅう思ってたわけだから。それですっかり気が楽になる。ぼくはレオス・カラックスじゃない。ぼくは死んでない。レオス・カラックスは死んだ。一度に三つのいいニュースというわけだ。